共感覚のハナシ
こんにちは、ごまきです。
自分は心理学を専攻しているのですが、この前大学の講義で興味深いことを聞きました。(心理学というより、認知神経科学に近い講義かな?)
みなさんにも知ってほしい&授業の復習がてら記事にしました。
もくじ
そもそも共感覚って何?ってハナシ
共感覚って実在するの?ってハナシ
共感覚を体験してみよう!ってハナシ
終わりに
そもそも共感覚って何?ってハナシ
みなさんは、「共感覚(synesthesia)」という言葉を聞いたことがありますか?
「共感覚」の意味を、みんな大好きwikipediaから引っ張ってくると、こんな感じ(2016年11月)。
共感覚(きょうかんかく、シナスタジア、synesthesia, synæsthesia)は、ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象をいう。 例えば、共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりする。 英語名 synesthesia は、ギリシア語で共同を意味する接頭辞 syn- と感覚を意味する aesthesis から名づけられた。感性間知覚。
うーん、wikipediaを読むとますます分からなくなる…。
要は、文字に音や色を感じる特殊な能力ってことです!
色の付いていない文字なのに色がついて見えるとか、音に色が「見える」とか(色聴と呼ばれる)…。
もちろん、私は共感覚を持たないので、共感覚を持つ人がどんな世界を見ているのか想像もつきません。
そのため、初めて聞いた時は「そんなのあり得るの?共感覚を持つって言ってる人は、中2病で、不思議っ子なんじゃないの?」と思っていました(失礼)。
しかし、ある実験によって、少なくとも「文字に色が見える」共感覚の存在可能性は高まっているのです。
共感覚って実在するの?ってハナシ
さてみなさん、突然ですが、これからある画像をお見せします。
この画像の中に、数字の「2」がいくつあるか、3秒以内に答えてください。
はい終了!
3秒以内にわかりましたか?
…ぶっちゃけ、わかんねぇよ!って感じですよね(ノ_・。)
5と2をデジタルフォントで表示すると、ちょうど形を反転したものになるので、余計見にくくなります。
ところが…
この画像を「文字(数字)に色が見える」共感覚を持つ人が見ると、どうなるでしょうか?
例えば、「5が青に見えて、2が赤に見える」共感覚を持つ人が見ると、こんな感じになります。
これなら、ほとんど一瞬で「4個!」と答えることができますよね。
事実、「文字(数字)に色が見える」という共感覚を持つ人は、先ほどの黒文字の画像を見ても2の数を一瞬で答えられるそうです。
つまり、共感覚は実在する可能性が高い、ってことです。
でも、そもそも黒で書かれた文字が別の色で見えるなんて、変な話ですよね?
色は光の反射具合を視覚野で処理して識別しているわけですから、その光の反射の法則が変わらない以上、黒いものは黒!!
それじゃあ、その黒を別の色に変換しているのは…?
そうです。脳しかないんです。
共感覚を体験してみよう!ってハナシ
ここでみなさんも共感覚(みたいなもの)を視覚的に体験してみよう!と思ったのですが、先生が授業中に使っていた資料がなかなか見つからず…断念(ノ△・。)
かるーく原理をお話するだけにします。ごめんなさい…。
みなさん、色の残光ってご存知ですかね?
こんな感じのやつ。
ある色を長時間眺めていると、いきなり白い画面に変わってもその色(または異なる色)が見え続けているという脳の錯覚のような現象です。
共感覚の体験は、この残光を利用したものです。
ある特殊な色の配列を数分間眺めた後、黒で書かれた|||(縦縞)と=(横縞)を見ると、なんと…!
縦縞と横縞、それぞれに異なる色がついて見えるのです!
これで、「黒で書かれた文字が別の色に見える」ことはありえないことではない、ということがわかります。
終わりに
共感覚について、ちょっとわかりましたか?少しでも興味を持ってくだされば、幸いです。
もし、もっと共感覚について知りたい!という方がいらっしゃったら、興味深い記事がたくさんあるので、ぜひ読んでみてくださいね。